以前よく通っていた広東料理店へ急に行きたくなり、仕事帰りの夫と出掛けた。場所は横浜駅からそう遠くはないとはいえ住宅街。平日の18時すぎ。予約を入れなくても大丈夫と思っていたら、とんでもないことになっていた。店の外から覗くと、大人数用の円卓以外満席。かつてなら考えられない。
以前は日によってはガランとしていて、カウンターの定位置に面倒くさい注文をつけるかまってちゃんオッサンとか女の子たちを連れてきて騒いでいる近所の小企業の社長とか、お年寄り二人がラーメンを食べながら毎度「だいたい定食なんて食べすぎよね~」と同じセリフを吐いていたり、まあカオス。
それでも食べたいものがあったので、入店。「 オヒサシブーリー」と店のおかみさん(中国の方)に迎えられ、相席になってもよければと円卓に通された。そこで気が付いたのが私たち以外に席についていたのがほぼ中国人のお客だったということ。しかも若い人たち。旅行者なのか留学生なのか仕事で日本に住んでいるのかはわからないが、わざわざここへ来ていることは確かだ。彼らには独自のネットワークがある、と私は見ている。
私が食べたかったのは焼き物。こちらのお店の店主は横浜中華街のとあるお店で働いていたとのこと。今でも焼き物は中華街や個人の注文が入るらしい。しかしいつでも希望の焼き物があるとは限らない。なのでメニューにあるものを注文しようとしたら、おかみさんが、「キョウ、ダックデキタテ!ダック、スキデショ?!」ああ、そうです、憶えていてくれたの( ;∀;) やったー広東ダック!

これ、ダックの半身かなあ(*'▽') 結構なボリュームです。紹興酒とこれをいただくのが今日の希望でした。叶いました…梅味のソースも付いてきました。あってもなくてもいけますが、若干甘めの味付けにこのソースを付けるのはおおいにアリ。

細麵をパリッと焼き上げた香港焼きそば&雲吞スープはランチメニューの定番ですが、このお店は夜でも定食メニューを食べることが出来ます。(夜プライスになります)
以前、夫は中国料理はほとんど食べない人だったらしいのですが、私の影響で好きになりました。それもここの香港焼きそばのおかげといっても過言ではない( *´艸`)

焼きそばと一緒に提供されるこの雲吞スープの雲吞はおかみさんの手作りであることはこの目で確認しています。忙しいランチタイムの合間にせっせと作っていました。

炒飯も外せない。「しっとり」と「ぱらり」が同居している炒飯、当たり前のようでいて素人には難しいので大好きです。
入店してから30分もしないうちに中国のお客さんたちが会計を済ませて出ていく、そして入ってくるのはまた中国のお客さん。その後日本人も入店しましたが、入れ替わってまた満席。お店は17時半に開店、私たちが来店したのが18時15分頃、その時すでに満席、そして私たちが出たのが19時20分頃、すでに店は1回転はしています。すごい~!
これがかつてのこの店なら日によるけれど、ろくに注文もせず、ただ長っ尻のお客に居座られて「ちーん」って感じだったのですけどね。お客さんがさくっと食べてさっと出て行く、この感じ日本人にはあまりない。食事終わってもスマホタイムやらおしゃべりで小一時間は潰す。
と相変わらずのアンチですが、本当のことなのでハッキリ言わせてもらう。
商売人の娘なので痛いほどよくわかる。
先ほども書きましたが、なぜ観光地でもない住宅地にあるこの店に母国の人たちが集まるのかはやはり彼ら独自の口コミネットワークがあるのでしょう。こうなってくると、お金払いが悪くて面倒くさい日本人相手より、豊かになって訪れてくれる母国の人たちに支えられる方がお店にとっても幸せなのではないかと感じたできごとでした。
これを機に面倒くさいお客が減ることを祈るのでした(-_-)
そうなれば私たちも通いやすい。