今週のお題「本屋さん」

ボリシャヤポリャンカ通り28番地K1 モスクワ,ロシア
前回モスクワへ行った際、再訪したかった場所の一つ「若き親衛隊」(マラダーヤグヴァルヂヤ)。いかにも旧ソヴィエト時代のポスターや壁画に書き添えられていそうな名称の店、これは本屋さん。私が住んでいた頃(1990年代初頭)は書籍、教科書、文房具が売られていた。お金はあっても買うものがなかった国での楽しみのひとつは教科書と文房具を買うことだった。実際、国外へ持ち出し禁止と言われていたのにせっせと通っては集めていた。
若き親衛隊
第二次世界大戦下の旧ソ連において対ナチスドイツ抵抗運動に参加した青少年組織。
当時の同僚だったロシア人で実家がこの書店に近くというスヴェータに「あそこにそんなに面白いものあったかしら(・・?」と首をかしげられていた。私にとっては彼等が通う学校で使われている教科書を読むことは興味を搔き立てられることだったし、紙質はよくないものの可愛らしいノートや便箋を集めることは子供の頃からの趣味の延長線上にあったからだ。
The Blue Birdチャンネルよりお借りしました
モスクワメトロ ポリャンカ駅
この駅を降りてすぐそこにお店はあります。
広いモスクワ市内には書店はほかにもあった。でもわざわざここに通ったのは、ここにはほとんど観光の匂いがせず、外国人目当ての人間とすれ違うことはまずないこと。モスクワ中心部にありながら、静かで地元民の生活を垣間見れるエリアにあったことからだった。よくこの書店に通い、欲しかった教科書と文具を手に入れ、ほとんど食品の並んでいない肉店で鶏肉ソーセージを買い、たまに日本人同僚とその先のウズベク料理店で食事をして帰ったことを思い出した。
もう一軒、大好きな書店があったけれど、ソヴィエト崩壊とともになくなってしまった。歴史の荒波にも耐え、、というかこれもまた「運命」なのか「若き親衛隊」はしっかりとそこに残った。ただ、今はハードカバーの重々しい書籍たちではなく、ソフトカバーで内容の薄いハウツーもの、参考書、限られた数の文学書、その他文具や趣味のグッズが溢れる店に変貌を遂げていた。でもレジに行列する人々をみて彼らが相変わらず「本好きであることは変わらない」ことを確認した。約30年の時を経ても。
モスクワのメトロ車両パレード レトロ車両から最新まで2022
FoxbutRUチャンネルよりお借りしました
~8:28までベラルースカヤ駅で撮影の模様。私は次のクラスノプレースネンスカヤが最寄り駅でした。